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センチュリー21という不動産会社の加盟店の社長が書いているブログです

「300(スリーハンドレット)」という映画はご存知ですか?

http://wwws.warnerbros.co.jp/300/

スパルタという古代ギリシャの大国のお話なんですけど

面白かったです1024.jpg

是非見ていただきたいんですけど

結構マニアックな基礎知識が必要な映画です


ということで映画に沿ってマニアックな歴史の説明をいたします






初めに、スパルタの話をしておきます

紀元前500年くらいのお話です

古代ギリシャにはスパルタとアテネというポリス(小国家)がありました

スパルタはアテネと並ぶギリシアの大国です

しかしアテネのような民主政は発達せずギリシア世界の中でも特殊な国造りをしました

 

スパルタには三種類の身分がありました

一番上に立つのが支配者であるスパルタ人、これが市民です


その下にペリオイコイと呼ばれる人々がいます

ペリオイコイは軍事的な義務はありますが参政権がありません

不完全市民です


一番下がヘイロータイという事実上の奴隷です

ヘイロータイが農業をします

スパルタは広い領土を持っていて、割合に平地も多い

この農村に住んでいるのが奴隷身分のヘイロータイです

 

スパルタがアテネなどと比べて変わっているのは

この奴隷の人口が非常に多いところでしす

アテネの市民は18万、奴隷が11万

市民の方が多いんです



スパルタは、市民が2万5千人で奴隷が20万です

圧倒的に奴隷人口の方が多いんです

この奴隷が団結して反乱を起こしたら2万5千人では負けてしまいます

2万5千人で20万人を押さえつけるためにはどうしたらよいでしょうか?




スパルタ人は非常に単純な答えを出します

スパルタ人一人ひとりが滅茶苦茶に強くなればよい
という結論です






そこで、スパルタ人は幼い時から非常に厳しく子供を育てます

厳しい子育てをスパルタ教育と言いますよね

ここから来ています


 

 まず、赤ちゃんが産まれる、ここからスパルタ教育は始まります

長老がやってきて、赤ん坊をチェックします

五体満足か?健康に育ちそうか?

障害があったり虚弱だったりしたら

タイゲトス山に捨ててしまいます

育てません



7歳になると男の子は親元から引き離されてみんな合宿所に入れられます

ここから男ばかりの集団生活が始まります

男ばっかりで

一緒に起きて、一緒に飯食って、一緒に身体鍛えて、また一緒に飯食って、一緒に寝ます

何歳までこの生活をするかというと30歳までです
(嫌ですよねー)

30歳になると家庭生活が許されるんだけれども、やはり夕食は家で食べない

男達が集まって共同食事をするんです

これをしないと市民の資格を奪われてしまいます

だから、スパルタでは一家団欒の夕食というのはありません




こんなふうな生活をしながら、肉体を鍛えていきます

男達同士の団結はものすごいものになります

お互いみんな気心が知れあっています

これが密集隊を作って戦場に出てきたら他のポリスは太刀打ちできません

スパルタ陸軍はギリシア最強でした

成人の儀式ではこんな話も伝えられています

スパルタの少年は13歳位で成人の儀式を迎えます

その年齢になった少年は短剣一本だけを渡されてスパルタの町を追い出されます

金も食糧も何も持たせずに1年間放浪の旅をしなければなりません

食糧はどうするかというと、「奪え!」といわれます




具体的には近郊には農村が広がっていて

そこには奴隷身分のヘイロータイが住んでいます

彼らから食糧を奪うんです

ヘイロータイが抵抗したら殺してかまわないんです

ヘイロータイからすれば、常に年頃の少年が短剣を持ってうろついていて

何時襲ってくるか分からない

こんなふうにしてヘイロータイにはスパルタ人に対する恐怖心を植え付け

少年は放浪を通じて立派な戦士に成長する、という仕組みです



 

ちなみに女の子は合宿生活はないですが、やはり集められて肉体の鍛錬をしました

これは立派な戦士を産むためです

要するに、スパルタは社会全体が戦争モードのポリスでした




一人のスパルタ人が主人公です

私の話した歴史の背景を知ってから見ると

めちゃくちゃ面白いです!

 

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「貧しきリチャードの暦」って知っていますか?

18世紀にヴァージニアスリムというタバコで有名なヴァージニア植民地から

最後の植民地ジョージア植民地までの

13州(後のアメリカ合衆国)でベストセラーになったカレンダーのことです

『貧しきリチャードの暦』を出版したのはベンジャミン・フランクリンという人です


 フランクリンは名前を聞いたことがあると思います

現在のアメリカでも人気のある人です

いろいろな分野で活躍して名前を残しているのですが

かれの人生は、アメリカ人の理想像の典型です






  とにかくまじめに働くし

いろいろなことに好奇心を持って

自分の頭で考えることが大好きな人だったみたいです



彼は22歳のときに独立して自分の印刷工場を持ちます

 当時、印刷所はカレンダーをつくって売っていました

当時は現代のようにメーカーが宣伝のために無料配布したりしないので

カレンダーは作れば必ず売れるものでした

だから、どこの印刷所でもカレンダーを印刷して販売していました






ところで、カレンダーというのは

1から31までの数字と曜日さえ書いてあればいいので

どこの印刷所のカレンダーも同じようなものでした



 フランクリンは、ここで知恵をしぼりました

たくさん売れるためには独自性を出さないといけない

そこで思いついたのが、カレンダーの余白に「ことわざ」を印刷することでした





聖書をはじめとするいろいろな本から、人生訓的なものを探し出してカレンダーを埋め尽くす

足りなかったら、自分でことわざをつくる

そうして、出来上がったのが






『貧しきリチャードの暦』






というカレンダーです






これが、ものすごい人気を呼んで、たくさん売れました

これで、フランクリンは有名になり、金持ちになります



『貧しきリチャードの暦』はロングセラーにもなって

ことわざを入れ替えながら

これ以後25年間出版されつづけます




これだけ売れたのは

「ことわざ」を入れるという工夫のせいだけではなくて

フランクリンの選んだ「ことわざ」そのものに

当時の植民地の人々を揺り動かす何かがあったと考えられます






 いったいどんな「ことわざ」が載っていたのか?

少し有名なものをご紹介します




①「女と灯火のない家庭は魂のない人のようだ」

②「軽い財布、重い心」

③「よく愛し、よく鞭打て」

④「生きるために食い、食うために生きるのではない」

⑤「金をためすには火、女をためすには金、男をためすには女」

⑥「寝ている狐は一羽の鳥も捕まえない」

⑦「怠惰は何でもことをむずかしくするが、勤勉はすべてをたやすくする」

⑧「仕事を追い、仕事に追われるな」

⑨「早起きは人を健康に、金持ちに、賢くする」

⑩「必要のないものを買えば、まもなく必要のあるものを売らなければならなくなる」

⑪「御馳走が多いと意志がやせる」

⑫「天は自ら助くるものを助く」

⑬「今日の一日は明日の二日」

⑭「空の袋は立ちにくい」






 どこかで聞いたことのあるようなものばかりですよね

 たとえば、「早起きは人を健康に、金持ちに、賢くする」ということわざ

「早起きは三文の得」と翻訳されて、日本でも有名です




  フランクリンの言葉を紹介しておきます

「ヨーロッパでは名門に価値があるが

アメリカでは他人のことを

『あの人はどういう身分か?』とは聞かないで

『あの人は何ができるか?』と聞くのである

その人に有用な技能があれば歓迎されるし

それをやってうまくできれば、彼を知る者から尊敬される

だが、ただ家柄がよいというだけの人が

そのためだけの理由で

何か官職か俸給を得て

社会に寄食しようとすれば

軽蔑され無視されるであろう」








どうですか?

とても深い話じゃないですか?

とても250年前の人の話とは思えないですよね

月曜日の21時からやっている「深イイ話」に投稿すれば5万円もらえそうです






 フランクリンは印刷所で成功を収めたあとは、別の分野に興味を持ちます

ストーブの改良、雷と電気の関係

アメリカではじめての図書館の設立

奴隷制度反対協会設立、等々

晩年は政治家、外交官としても活躍して、アメリカ独立に貢献しました

独立宣言の起草者の一人でもあります




肖像画をみても

誰にでも陽気に声をかけて冗談をとばしそうです

彼こそが「最初のアメリカ人」なのです

 

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トロヤ文明って知っていますか?






トロイの遺跡なんかで有名ですよね

紀元前2600年くらいから前1200年くらいまでに存在していました





この文明は文明そのものよりも

発掘した人によって有名です

それがドイツ人、「シュリーマン」

1870年代に発掘するんです




かれは幼い頃から寝物語にいつもギリシア神話を読んでいたんです

大好きなのがトロヤ戦争の話






大人になったら絶対にトロヤの町を見つけようと子供心に決意するのです

当時はギリシア神話はあくまで神話であって

ホントにトロヤ戦争があったとか

トロヤの町があったなんて誰も考えていなかったんですが

シュリーマンは若いころから働きに働いて

商売で大成功して資金を貯めて

50歳近くなってから財産を投じて自力で発掘をはじめます






周囲の人たちは馬鹿だねえ、って思っていたと思います

浦島太郎の話を信じて竜宮城を探すようなものです

ところがかれは発掘してしまうんです





そしてシュリーマンが信じたトロヤ戦争の話の発端が面白いんです






テティスという女神がペーレウスという人間の男
(これはギリシアの王の一人なんですが)

と結婚するところから始まります




女神と人間の結婚だから、披露宴は大賑わい

神々も出席するし

ギリシアの主だった王様たちもやってくる



大いに盛り上がっているんですが

一人だけ宴会に呼ばれなかった女神がいたんです






これが、嫉妬と争いの女神エリスです







結婚披露宴に嫉妬と争いは要らないからという理由です

ところが、エリス女神は披露宴に呼ばれないことに嫉妬してしまった

腹を立てた彼女は、披露宴に争いを持ち込みます

何をするかというと、宴会場に黄金のリンゴを投げ込む

突然、宴会場に転がり込んできた黄金のリンゴを取り上げてみると





そこにはこんなふうに書いてあります






「最も美しい女神へ」






 「そのリンゴは私がもらう権利がある」と

三人の女神が名乗りをあげた




私が一番美しい」と三人の女神は大喧嘩をはじめてしまって

宴会は滅茶苦茶になってしまった






三人の女神はこんな顔ぶれです






まずは女神ヘーラー

彼女は主神ゼウスの妻で、女神の中では一番偉い

世界の支配を司ります







次が女神アテナ

戦いの女神です






最後が女神アフロディーテー

美の女神です

英語で「ヴィーナス」といいます






「私は美しい」と、喧嘩するのですが決着がつかない

そこで三人はゼウスのところに行って

「誰が一番きれい?」って聞くのですが

ゼウスも困ります

思ったことを言って残りの二人に恨まれたらたまりません






そこで、ゼウスは「美の判定者」を指名して

その人物に最も美しい女神を決めさせることにしました

「美の判定者」とされたのが

羊飼いの少年パリスです

これは人間です






ここまで来ると

女神たちは意地でも「美しい」といわれて

黄金のリンゴを手に入れたいわけです





女神たちはパリスのところに行って買収工作をするのです






ヘーラー

一番にしてくれたら

「世界の支配者にしてあげる」






アテナは「あらゆる戦での勝利があなたのものに」






アフロディーテーは「人間の中で一番の美女をあなたの妻に」







三択問題です

みなさんなら、誰にしますか?

このあたりはギリシア人の人生観がうかがえて

最高に面白いですね






パリスは美女を選択したんです






世界の支配よりも、勝利よりも、美ですよ

ギリシア人らしいですよね

かれらの残した彫刻を見るとつくづくそう思います






さて、最も美しい女神はアフロディーテーで決着

彼女は、約束どおり最高の美女をパリスに与えるのですが






それが人妻だったのですよ!






ギリシアはスパルタ王メネラーオスの妻ヘレネーです






パリスアフロディーテーの手引きで

彼女をさらって自分の妻とします






ところで

パリスは実は




トロヤの王子





だったのです






妻をさらわれたメネラーオスは怒りますよね



妻を取り返すため

兄のミケーネ王アガメムノーンに助力を頼みます

アガメムノーンは全ギリシアの盟主なんです



かれの号令で、全ギリシア軍が出動です

海を渡ってヘレネーを奪い返すためにトロヤに攻め込みました




これがトロヤ戦争です




ギリシア軍の中にはギリシア随一の戦士アキレウスもいます
(ブラッドピットが演じていました)



アキレウスは戦争の発端となった宴会の主役女神テティス

人間とのあいだに生んだ子です






テティスは死すべき定めにある人間の息子を

不死身にするために

生まれたばかりのアキレウスを不死の泉に浸けます

その時テティスアキレウスの足首をつかんでいたので

そこだけが不死の泉につからず

かれの唯一の弱点となります

アキレス腱の語源です






そのアキレウスもすっかり成長してこの戦争に参加するんです










こんな話を信じて

トロヤを発掘しようとするとは

シュリーマン

ただ者ではないですね




ミケーネの遺跡からは黄金の仮面が出土していて

これは「アガメムノーンのマスク」と呼ばれています






このトロヤ戦争が始まって10年目

戦争の最終段階をアキレウスを主人公に描いたのが

ホメロスの叙事詩『イーリアス』です



ホメロスは前8世紀のギリシアの詩人です



 『オデュッセイアー』という叙事詩もホメロスの作

これは、ギリシア随一の知恵者オデュセイウスが

トロヤ戦争が終わって

トロヤから故郷へ帰る長い旅を描いた物語です





トロヤ戦争の最終段階で

トロヤをうち破る作戦を考えたのが

オデュッセイウスでした




両軍とも名だたる英雄

勇士は次々に死んでいき

それでも決着はつかず

オデュッセイウスは




有名な「木馬の計」




というのを提案します





全ギリシア軍は撤退するふりをしてトロヤの海岸から引きあげて

浜辺には大きな木馬だけが残っている

木馬にはギリシアの戦士が百何人か隠れているのです


トロヤ側は今日も戦だ、と

海岸に来てみるとギリシア軍がいない

とうとうあきらめて撤退したと思いこみます

海岸に残された木馬を戦利品として

トロヤ城内に持ち込んで

夜になったらどんちゃん騒ぎの勝利の宴会です

トロヤの兵士たちが飲みつぶれたのを見計らって

隠れていたギリシア兵が木馬からでてくる

そして、内側から城門を開き

外の兵と合流してトロヤ人を殺しまくるのです

トロヤは炎上して滅んだ、という話です






このトロヤの陥落炎上を描いた絵本がシュリーマンに強烈な印象を与えたそうです

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今日は私のブログ最長です

私が歴史にハマッたきっかけの話です

最後まで読んでくれたら

感動すること間違いナシです






いまから700年くらい前の

「ガウェインの結婚」という話です






イギリスで生まれた騎士道物語『アーサー王物語』のなかのひとつです






アーサー王のことはテレビやマンガになったりしましたから

知ってる人も多いですよね



エクスカリバーという剣がでてくるやつです




 アーサーはイングランド王の子どもだったのですが

出生を知らないまま育てられます




王が死んで王国が混乱していたそのとき

ロンドンの聖ポール大聖堂の前に大きな石があらわれます




その石の真ん中には剣が刺さっていて



石には「この剣を石より引き抜いたものが

全イングランドの正統な王である」

と刻まれているわけです






たくさんの剛の者が挑戦するが誰も抜けない




ところが






アーサー少年が簡単に抜いてしまって

王位につくわけです







 で、まあ、そのあと

アーサー王が活躍する話がたくさんあるのですが

その中で私の一番好きなのが



ガウェインの結婚」です






 実は、アーサー王物語の中で

アーサーが中心になる話はそれほど多くないんです




円卓の騎士と呼ばれるアーサーの臣下たちが

主人公になる話のほうが多くて

また面白いです



ガウェインというのはアーサー王の甥で、一番忠義な男です








 さて、物語はこんなふうに始まります






アーサー王がいつものように宮廷で国民の訴訟を裁いていると
(遠山の金さんみたいですね)



一人の乙女が王にこんな訴えをします





自分の領地が邪悪な騎士に奪われ

また恋人も捕虜にされてしまった








アーサー王は

自分の国内でそんな不法なことがおこなわれているのはけしからん






というわけで






愛剣エクスカリバーをひっさげて

ただ一人で

その邪悪な騎士の城に乗り込みます





 ところが



敵の城に一歩足を踏み入れたとたん

アーサーの心から勇気と元気が抜けてへなへなになってしまうんです






アーサー王物語には魔法使いがよくでてきます

これもそうで

城には魔法がかかっていて

侵入者の勇気をくじくわけです





そこに

邪悪な騎士が登場して




あっという間にアーサー王を打ち負かして捕虜にしてしまいます






 アーサー王は「助けてくれ」って頼むわけです





中年以降のアーサーは結構弱虫なんです




そこで、邪悪な騎士はこういいます




「命が惜しいか。それならおまえに問をやろう」って



「この1年のうちに問の答えが見つかったならば、おまえを許そう

もし、見つけられなければおまえの王国をそっくり私がもらうぞ!よいな!」




よいもなにも

とにかく助かりたいからアーサーはこの条件を承知します

そして、答えを探して放浪の旅にでる







  どんな問題を出されたかというと、これがすごい

こんなのです











 「すべての女性がもっとも望むことは何か?









 難しいねー

わからんねー

わかるって人いますか






アーサーもわからなかったので

どうしたかというと旅にでて

行き会うすべての女性にたずねまくるんです



おまえの望みは何か?」




すべての女性が望むこと、ですから

少女から老婆まで、農民、商人、職人、貴族、未婚、子持ち

あらゆる女性に質問してまわるんですが

うまくいかない

みんな、言うことが違うんです






ある女は「美貌」という

また別の女は「健康」

そのほか富、立派な騎士の夫、子ども、若さ、恋人など

ありとあらゆる答えが返ってくる









女性のみなさんはなんと答えますか?









聞かれても困るでしょ

こんな状態では、すべての女性が望むことがわかるわけはない



しかし、あきらめるわけにもいかないので

アーサー王は旅をつづけます









 1年がたちました

明日はいよいよ約束の日で

アーサーは邪悪な騎士のもとに出向いて

正答を言わなければなりません

ところが、正答らしきものを未だ見つけられない






 うちしおれたアーサー王は

とある暗い森の中に入っていきます



暗い森の道のかたわらに瘤だらけの大木があって

その根本に、目をそむけたくなるような

それはそれは醜くーい老婆がしゃがみこんでおりました





ちらっと老婆を見たアーサーは

「うわぁ、気持ち悪い!」と思ったんでしょう


気づかないふりをして、その脇を通り過ぎた





 すると


その老婆いきなり立ち上がって

アーサー王を叱りとばした




 「これ、そこな騎士よ

立派な鎧に身を固めてさぞかし高い身分の者かもしれんが

レディを無視して通り過ぎるとは、この無礼者め!」





 騎士というのはレディ・ファーストの精神が大事なんです






アーサー王はあわてて馬を降り

非礼をわびます




機嫌をなおした老婆は、さらにアーサーに言う



 「あなたの探しているものを

私はあたえることができる」、と




ただし、これも条件があって

老婆は



答えを教えるかわりに

若くて健康で立派な騎士を自分の夫に欲しい





と言います



アーサー王はせっぱ詰まっていますから

後先考えずに約束して

答えを教えてもらいました











どんな答えだったと思いますか?




あとで答えは出てきますので考えていてください










 さて

翌日アーサーは邪悪な騎士の城に出かけます



邪悪な騎士がでてきて

「答えを見つけたか。言ってみろ!」






アーサー王は










「愛!」











なんて言います


これ、不正解です




不思議なルールなんですけど

何度答えを言ってもいいみたいなんです



それで



アーサーは老婆に教えてもらった答えを最後に残しておいて

それまで聞いてきた答えを全部言うんですね




邪悪な騎士は

「違う 違う」

と言いながら上機嫌



アーサー王の答えがつきたところで

「では、約束どおりおまえの王国をいただこう」






アーサー、「ちょっと待った!」





そして

老婆の答えを言いました






何だと思いますか?

これが…














 「自分の意志を持つこと











わかりますか?

このすごさ




いまから700年から500年くらい前の時代につくられた物語ですよ




すべての女性がもっとも望むことは、自分の意志を持つこと




現代の日本でも共通しそうです




最近

夫が家の中で妻やこどもに暴力を振るうのが明るみになってきています




ドメスティック・バイオレンスです








皆さんの奥さんや彼女さんは

自分の意志を持っていますか?








現代女性の生き方見てても

結構考えさせられる答えだと思います







 邪悪な騎士は

「くそっ、さてはあの女に教わったな

あいつは、俺の妹のくせに…」




とか言って悔しがりました




実は、答えを教えた老婆は騎士の妹だったんです

なぜかわかりませんが






 こんなふうにしてアーサー王は1年ぶりに宮廷に帰還します

円卓の騎士たちも大喜びなんですが

肝心のアーサー王が暗いんです






醜い老婆との約束が残っているからです




約束はしたものの

あんな醜い老婆と若くて立派な騎士を結婚させなければならない

ああ、やだ

どうしたもんだろう

誰と結婚させようかと悩んでいるわけです





理想的な中世の騎士は必ず約束を守るものですから





 暗く沈んだアーサー王を見て

心を痛めたのがガウェイン卿です



やっと、登場です





「王よ!あなたの悩みを私にも分けてください。」




アーサー王は、これこれこんな事情で、と説明します




当然の展開として、王に忠義なガウェインは

「私が、その女の婿となりましょう。」

となるわけです





 アーサー王は

自分の甥でもあり見目麗しく若く健康なこのガウェインを

あんな不吉な老婆と結婚させたくない






何も、おまえが…

と反対するのですが

ガウェインも言いだしたら聞かない




 結局

ガウェインが老婆の夫となります






 さて、仲間の騎士たちが

暗い森から老婆を連れてきて

宮廷で結婚式です



他の騎士たちは

みんなおもしろ半分でガウェインをからかうんです




だって、新婚の妻は

世にも醜い

顔をそむけたくなるような老婆ですよ



ガウェインも、何の愛もあるわけじゃない

王を嘘つきにしないための結婚ですから

ちっとも幸せじゃない



だから、式だけで披露宴はなし

やがて、お約束の夜がやってきます

 新婚初夜です







部屋には新郎新婦の二人きり

ところが

ガウェインはというと

花嫁に背中を向けて

「はぁーー」って、ため息ばかりついているわけです


花嫁の顔を見ようともしない

まあ、気持ちは分かります



すると

この老婆の花嫁が正面切ってガウェインに問いかけます






 「わが夫よ

あなたは新婚初夜というのに

わたくしを見ようともなさらず

つまらなそうにため息ばかりついておられる

なぜですか?」





 「なぜですか」って

すごいですね

わかるでしょうにね





 また、ガウェインも気持ちいいくらいにはっきり答えます


 「俺が、ため息ばかりついている理由は三つある

ひとつ、あなたが老人であること

二つ、あなたが醜いこと

三つ、あなたの身分が低いことだ」





 それを聞いて老婆は

反論するんです

こうです




「ひとつ

確かに私は年老いているが

それだけ人よりも思慮が深く知恵に富んでるということです

決して、悪いことではありません



二つめ

妻が醜いことは

夫にとって幸運です

なぜなら

他の男が言い寄ることを心配しなくてもよいから



三つめ

人の価値は生まれや身分で決まるものではありません

魂の輝きによるものです」




良いこと言いますよね







 ガウェインも

まあ素直な男だから

そんなものかしら

と思ってふっと振り返って花嫁を見ると





なんとそこにいるのは










輝くばかりの美しい乙女だったんです









 「おまえは一体何者だ?」

と驚いてきくガウェインに花嫁は答えます




 「実は私は悪い魔法使いに魔法をかけられて

老婆の姿に変えられていたのです

二つの願い事がかなわなければ

もとの姿に戻ることができません




立派な騎士を夫にするというひとつの願いがかなえられたので

私は一日の半分をもとのこの姿で過ごすことができるようになりました



 もとの姿でいられるのは

昼がよいですか?

夜がよいですか?




わが夫よ



お選びください!





 ガウェインはこういいました




「その美しい姿は

二人だけの夜の時間に見せてほしい


できれば


その美貌を他の男たちに見られたくはないものだ」





 独占欲強いです





私もおそらくこう答えます





それに対して

花嫁も自分の意見をはっきり述べます





「女というものは

他の殿様方やレディとお付き合いするときに美しい姿でいられたら

それはそれは幸せなんですよ」






 それを聞いて

しばらく考えたあとガウェインは言います










 おまえの好きにするがよい!














 すると

花嫁が満面の笑みをうかべて言いました








「たった今

二つ目の望みがかないました

私は昼も夜ももう老婆に戻ることはありません!










 わかりますね

二つ目の願い事がなんだったか






そう!











 「自分の意志を持つこと











 彼女は夫ガウェインによって自分の意志を持つことを許されたんです













 これが「ガウェインの結婚の物語」です

本だとわずか5ページくらいの話です






でも、ものすごく深い思想が込められていると思いませんか?





さっきも少し触れましたけど

現代日本だって通用する中味ですよね




この話の女性は思いをはっきり口に出してすがすがしいです

ここに一つのヒントがあるように思いますね






 男性の方!

女性にもてようと思ったら

これですね




「すべての女性は自分の意志を持つことを望んでいる」




ここが、基本ですよ





まあ、少なくとも

ガールフレンドのことを「俺の女」なんていう男はダメです

私も大嫌いです




 男女だけでなくて

「人権感覚」だと思います





 この話を含むアーサー王物語は

12世紀から14世紀くらいにイングランド

フランスあたりで誕生して

今のような形になりました




ヨーロッパ中世の騎士の精神世界が見えて楽しいです






歴史って、面白いんですよ

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今回は歴史の話

少し長いですが、呼んでみると面白いと思いますよ







世界で最初に生まれた文明はメソポタミア文明です

メソポタミアとは川のあいだという意味で

ティグリス、ユーフラテスの二つの川にはさまれた地方をさします

現在の国名でいうとイラクです

以前はサダム・フセイン大統領で有名です


このメソポタミア地方の川下

河口付近にはじめての文明ができます

文明をつくりあげたのはシュメール人といわれる人たちです

この話は紀元前3500年くらいですので

世界3大宗教のひとつ「ユダヤ教」を作った

ヘブライ人(現在のユダヤ人)

が現れるよりも2500年位前の話です




このシュメール人が残した粘土板に

『ギルガメシュ叙事詩』

といわれる物語があります



この中には聖書のいろいろな話の元ねたがあります

旧約聖書に出てくる

「アダムとイブの話」
「ノアの箱舟の話」
「バベルの塔の話」

なんかがそうです




 そして

ギルガメシュ叙事詩の話をもう一つ

聖書の元ネタといったんですけど

映画の元ネタにもなっています


「もののけ姫」見ましたか

私、DVDで何回も見ました




以前、大流行したから見た人も多いんじゃないでしょうか?




あれの元はギルガメシュ叙事詩です





5000年前のシュメール人の物語が現代人に訴えるパワーを持ってるんです





ギルガメシュ叙事詩の前半にこんな話があります




「  当時からメソポタミア地方は森林資源は乏しかったらしいです

英雄ギルガメシュは町を建設するために木材が欲しい

そこで、有名な
レバノン杉

そのレバノン杉の森に木を採りに出かける

ギルガメシュは親友のエンキムドゥという勇士とともに旅立つんです

祟りがあるから止めとけ、という周囲の制止を振り切って

ギルガメシュとエンキムドゥはレバノン杉の森にやってきて

その美しさに立ちつくす

美しさに圧倒された二人は呆然と森を見続けます



しかし

ギルガメシュは気を取り直してこう思った




「この森を破壊し、ウルクの町を立派にすることが、人間の幸福になるのだ」




森の中に入っていくとそこには森の神フンババというのがいて

森を守るためにギルガメシュたちと闘うんですが

最後には森の神はエンキムドゥに殺されてしまう




フンババは頭を切り落とされて殺され

エンキムドゥは「頭をつかみ金桶に押し込めた」





その後、エンキムドゥは祟りで別の神に殺されてしまうんですけど  」






 「もののけ姫」と同じですよね

エンキムドゥが「たたら場」のエボシ様

フンババがシシ神、首を落として桶に詰めるところまで同じ






ギルガメシュ叙事詩では

フンババが殺されたあと「ただ充満するものが山に満ちた」と書かれています



「もののけ姫」では、シシ神の体から流れ出たどろどろのものが山を焼き尽くす



宮崎駿の解釈なんでしょうね








エンキムドゥは祟りで死にますが

エボシ様は、狼の神モロに片腕を食いちぎられるだけですんでいますがね

この辺、優しい解釈ですよね





人間が文明を発展させれば、必ず自然を破壊する

森を破壊しなければ生きていけない

しかし、森を殺せばそれは必ず人間(人類というべきかも)

にそのしっぺ返しは来る

どうすればいいのか

森とともに生きる道はないのか

と「もののけ姫」ではアシタカが苦悩するまま

解答なしで終わります




5000年前にすでに、自然破壊の問題が起こっていたんです




 

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