お客様第一主義って最近多いですよね
センチュリー21でも「お客様第一主義」は
ブランド理念の一番初めに掲げています
最近、少し思ったのが
営業マンのほうがこれを少し勘違いしているような気がします
確かに「お客様のために上質なサービスを行う」ことは大切です
ただ、お客様も消費者の一人であるという考えも同時に持たないとだめです
今からお話しするのは友人の会社で起った本当の話です
ある日に友人の仲介会社に物件の問合せしたお客様がいました
30代のご夫婦でした
こちらのご夫婦を野村さん(仮称)とします
問い合わせていただいた物件は
ちょうどその会社で媒介を受けているマンションでした
そのマンションの売主様は高齢のご夫婦です
こちらのご夫婦は田中さん(仮称)とします
長男が、家を建替えて一緒に住もうといってくれたので
田中さんはマンションを売却して一緒に2世帯住宅に住む予定です
マンションの売却資金で建替え費用の一部を捻出する予定でした
売主である田中さんは「マンションの売却価格はできるだけ安くていい」とのことでした
新しく家を購入する方が少しでも負担が軽くなるならこちらもうれしいとのことです
田中さんのお人柄がうかがえます
営業担当は相場よりもかなり安くその物件をお預かりさせていただきました
その営業担当は「鈴木くん」とします
そしてインターネットで公開したところ、問い合わせていただいたのが野村さんでした
双方のご都合をあわせて内覧をしたところ野村さんは大変気に入ったみたいです
早速会社に戻り、銀行の融資の話や契約の手続きの説明をさせていただきました
その時の会話です
野村氏 「値引きはどれ位してくれるの?」
鈴木君 「えっ?こちらの物件はかなり相場より安いかと思いますが・・・・。」
野村氏 「中古なんだから300万円は引いてくれてもいいと思うんだけど!」
鈴木君 「う・・・、売主様に聞いてみます。」
野村氏 「その値引きが通ったらすぐに契約するよ。連絡ください。」
鈴木君 「分かりました。後日連絡します。」
こんな感じだったと聞きいました
営業担当の鈴木君は売主様である田中さんに野村氏の意向を伝えました
一瞬、ご主人様の表情が変わりました。
田中さんご主人 「相場より低くしてもやっぱり値引きされちゃうんだね。」
鈴木君 「す、すいません。お気持ちは頂いているのですが・・・。」
田中さんご主人 「まあうちのがなんて言うか分からないですけど、
鈴木君に迷惑もかけられないしその値段でいいですよ。契約を勧めてください。」
鈴木君「あ、ありがとうございます」
鈴木君がその話を野村さんに伝えると野村さんはあまり喜んでいませんでした
野村さん 「もう少し値引いてくれないのかな?300万は少なく言い過ぎたかな?」
と言っていました
鈴木君は再度相場を説明して、何とか納得していただきました
話し合いの末、契約は3日後になりました
しかし契約の前日、田中さんの奥様から電話がありました
用件は「なぜこんなに安く売らなければならないのか?」ということでした
田中さん奥様は、営業担当の鈴木君に
「どうしても納得できない」と30分も文句を言ったそうです
ただ、鈴木君もがんばっていたので最後には
”分かりました”と言って電話を切りました
鈴木君は奥様が納得していない気持ちがよく分かりました
契約当日のことです
売主である田中さんは約束の15分前くらいに来ていましたが
買主である野村さんが30分くらい遅刻してきました
しかも田中さんにお詫びの言葉もありません
営業担当の鈴木君が申し訳なさそうに重要事項の説明を始めようとすると
田中さんの奥様が泣き出しました
価格交渉に納得いかなかったことと
無礼な態度に腹が経ったことが同時に出たんだと思います
田中さんご主人 「鈴木君、申し訳ないけど今回の契約はなかったことにしてくれ。
妻をこんな気持ちにさせてまで契約したくない。」
そういって立ち上がっていきました
残された鈴木君と野村さんはしばらく言葉がなかったそうです
我々のように利益相反する立場のお客様を同時に接客する場合
このようなことは注意する必要があります
どちらかだけを神様のように扱うことが本当のサービスではないような気がします
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